即戦力人材を思うように採用できなかったためです。起業してから採用した最初の8名は、社内外の信頼できる人脈を介した採用（リファラル）のみ。リファラルでは採用人数に限界を感じ、ナビサイトで経験者採用を始めました。しかし、「自社にマッチしていない」という理由で採用した人材の4割が辞めてしまったんです。そこで理念の浸透がしやすい新卒採用を思い切って導入しました。

最初は現場社員から反発を受けましたね。「優秀な（ポテンシャルのある）学生がいたとしても、大手を希望してうちに入るわけがないのに、お金をかけるのか」「採用フローが長すぎて、途中で離脱されてしまうのではないか」といった不安の声があがりました。

経営者仲間の紹介で参加したセミナーで、近藤社長の「新卒採用では学生にどれだけ時間をかけるかが大切。結婚相手を選ぶように、時間をかけて一人ひとりの行動を見なければ人柄や仕事ぶりは把握できない」という言葉にハッとさせられたためです。1人の学生に40時間関わってもらってこそ、本当に自社にマッチした採用が実現できるんだと感じ、覚悟を決めなくてはと思いました。

新卒開始3年目から導入した「長期インターンシップの仕組みの構築」です。実際の業務を体験できるということで、意欲の高い学生が集まるようになりました。業務内容は社内の申請関連のシステムを整えるといったもので、会社に必要なシステム構築に携わることで、学生もやりがいを感じて取り組んでくれました。結果、これまでの通常選考では出会えなかった「思考力の高い、即戦力になる学生」を採用できました。

Legaseedさんの長期インターンシップ募集サイト「Infraインターン」を導入したためです。「Infraインターン」では、大学生向けに実施する長期インターンシップの募集を掲載。長期インターンシップに挑戦する大学生は、アルバイトのような単なるお小遣い稼ぎではなく、社会に価値提供したいという視座の高さを持っています。より自分の価値を高めたいという向上心にあふれた優秀な学生と接点をつくれたおかげで、新卒採用の成功につながりました。

既存社員と新卒社員の割合には気をつけています。社内では「自分の業務をやりながら後輩を育てるのは大変」という声も聞こえます。そこで、自分の業務もきちんと回しながら、しっかりと技術も教えられるように、社員数に対して新卒採用は15%程度と適切な人数で調整するようにしました。

2点あります。まずは理念に共感する人材を採用できること。個人的に「一緒に働きたい人＝同じ価値観を持つ人、仕事のやり方が一緒の人」だと考えています。エンジニアは転職が容易だからこそ、精神的なつながりが薄いと簡単に辞めてしまう。そのため新卒採用では、理念共感をより重視しました。入社後も社内イベントの企画や運営を任せることで帰属意識を高めるようにしています。もう1点のメリットは社内の雰囲気が良くなったことです。たとえ現場の負担が増えたとしても、新入社員が成長し、お客様に喜んでいただけるところを見ると先輩社員も嬉しいですし、社内全体のモチベーションアップにもつながっていると思います。

今までさまざまなことをリクエストしてきた中で、断られた経験がないことです。「断らない文化」が社内に根付いているのだと思います。採用コンサルティングだけでなく、内定後の研修までしっかりサポートしてくれるのも強みですね。サービス導入時は特に、何度も弊社に足を運んでくれ、多くの接点をつくり出してくださったのも印象的でした。採用コンサルティング以外でも何かと気にかけてくださるのは、Legaseedさんの社風だと思います。

新卒採用をやったことがない企業です。Legaseedさんのインターンシップは内容がユニークで、学生を魅了するのに長けており、内定辞退が少ない。簡単に手に入るものは簡単に手放す、という言葉にも納得しており、時間をかけてお互いを理解する選考にしているからこそ、採用後の定着率が高いのだと感じています。経験者採用に毎年多額の投資をして離職を繰り返している企業は、ぜひ新卒採用への投資をオススメしたいですね。