
株式会社タカジョウグループ
長井 正樹様
ビルメンテナンス・福祉用具のレンタル販売・機密書類リサイクル・障がい者の就労支援等複数の事業を展開。
- 業種 インフラ 医療・福祉
- 所在地 関西圏
- 従業員数 1~30名
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導入サービス
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「こんなサービスはどうか」 社内で飛び交う新たな提案
当社では、社員発案のアイデアが次々と形になっています。
たとえば「生前整理サービス」は、介護製品を提供する私たちの事業に新しく加わったもので、介護ベッドを家へ搬入する際、事前に部屋を整理してからベッドを導入しやすくするというもの。
このアイディアを出してくれた社員は、Legaseedさんに支援してもらった採用コンサルティングを通じて出会えた社員です。
業務提携できる親族を紹介するなど実現に向けて大きく行動してくれました。
さらに当社には「委員会制度」という仕組みがあり、年次や部署に関係なく組織づくりに取り組める環境があります。
たとえば、 街のクリーンアップ活動は「親睦友好委員会」が主導で実施内容を決定し、休日にみんなで集まるんです。
私は予算の承認をするだけで、メンバーが自走して進めてくれています。
これらの自主的なアイデアは、単に会社に雇われている感覚では思いつかない発想。 社員一人ひとりが「自分が社会にどう関わりたいか」「どう価値を提供したいか」を真剣に考え、そしてタカジョウのやるべきこと、 つまり理念・ミッションと掛け合わせられているからこそ、新たな提案という形でシナジーが生まれているのだと思います。 -
“ただ任せる”でなく、本人が 「心からやりたいと思っているか」を重視
当社の組織づくりは色々な変遷を経てきました。
昔は私が「こうして、ああして」と指示する体制が主流でしたが、当社の理念である「生きがいの連鎖を、すべての人に」に基づき、ただ指示するだけでは本当の生きがいはつくれないなと気づいたんです。そこで約10年前から、社員の意思を尊重するスタイルに変えました。
新卒採用も変化の大きなきっかけです。「 あなたの実現したいことをタカジョウグループでやりませんか?」というテーマで採用活動を行っている最中、学生だけでなく「中にいる自分たちがやりたいことはなんなのか」を徹底的に考えることに。
当社では、 社長が権限を持って引っ張っていく・社員に権限をあげて任せていく…といった「〇〇主導」ではなく、やりたいことに真っ直ぐ向かっていく「全員協働」という言葉が近いですね。
根幹である理念と紐づいた手段だからこそ、皆がやりたい!と賛成し盛り上げていくんです。 -
タカジョウ流 やりたい心の育て方
社員の「やりたい心」を育む秘訣—それは「想いの根底にアクセスする機会」をたくさんつくることです。
具体的には、早朝勉強会で仕事のやりがいについて話し合い、 “自身の感じる喜び”を月に何度も振り返ります。
仕事に忙殺されていると本来持っていたはずの「やりたい」を忘れてしまいがちなので、入社後こそ自身の心動かされる瞬間をつぶさに見つめることが必要ですよね。
また、「ここにいてはやりたい仕事ができない」と言うメンバーがいた時も、この想いへのアクセスが大事。
本人の話を聞いていると、職種や手段に囚われていることが多く、根幹の想いは自社でも叶えられるのではと思うことがあります。
自社の仕事と本人の願望をリンクさせてあげる対話は、業績がすぐによくなるわけでも、採用人数に直結するわけでもないので、むしろ手間と感じるかもしれない。それでも、出逢えた仲間と重ねる「想いの共鳴時間」こそが価値であり、端折ってはいけないなと感じます。 -
組織のコンパスを失わないために「個人尊重 × 組織」のバランス
とはいえ、やりたいことだけやって組織として機能しなくては元も子もないです。
私は経営者として、常に3つのことを意識しています。
1つ目は、やりたいと成果のバランスにこだわる。
提案されたものはなんでもOKとしているわけではなく、事業として存続していけることかは厳しく確認します。
事業を展開しておいて「やっぱりやめます」は社員に対しても、何よりお客様に対してもあってはならないですしね。
2つ目は、責任の線引きを明らかにする。権限にも色々ありますが、中小企業において社員に経済責任を負わせる必要はないと思っています。
「 後はよろしく」と投げやりにならず、常に代表の役割を考え、仮に成果が出ていない時は忖度なくメンバーに伝えます。
3つ目は、会社の軸をブラさない。時には人生理念が変化して、徐々に自社の向かう道に合わなくなる社員がいます。
すごく寂しいですが、そうした時は新たな道を応援しますね。
互いにとって本当に幸せな道を考え、共に歩んでいる他の仲間を裏切らないためにも、理念は貫いていきたいです。 -
楽しいから頑張れる。シンプルな価値観をこれからも
Legaseedさんと出会って8年、新卒採用の伴走コンサルティングや理念策定プログラム「CORE」を通して、「全員協働」の土台はできてきていますが、まだ発展途上。
これからもっと主体的な組織を目指していきたいですね。
たとえば、ある会社では社長の誕生日に全社員から事業アイデアが集まるそうで、実際に事業化された方とお会いしたことがあります。
その責任者の方が「この事業は、もはや趣味の域ですね~」と笑顔で話していたのが印象的でした。
絶対に大変だと思うのですが、楽しんでいるからこそ乗り越えられるし、何より続ける力が湧いてくるのでしょう。
代表の想像を超える企画が出てきて、提案者本人が心から楽しんで実現に奔走している—そんな主体性溢れる組織になれたら経営冥利につきます。
仕事でもプライベートでも「やりたいことを心から楽しむ」、これこそ生きがいです。
いつか自分がいなくなっても、このシンプルで大切な価値観が組織に残り続けることを願っています。